住宅ローン控除は子育て世帯でいくら?2026年の上乗せと中古住宅の条件
家を買うときは、物件価格や毎月の返済額に目が向きがちです。けれど、購入後に使える税金の制度も、家計を考えるうえで知っておきたいポイントです。
住宅ローン控除(住宅ローン減税)は、住宅ローンを利用して自宅を取得したとき、一定の条件を満たせば所得税などが軽減される制度です。2026年入居分からは、適用期間が延長され、省エネ性能の高い中古住宅や子育て世帯への支援も拡充されました。
この記事では、2026年以降に入居する場合の基本と、子育て世帯が確認しておきたい借入限度額・住宅の条件を整理します。
2026年の住宅ローン控除はどう変わった?
2026年度税制改正により、住宅ローン控除は2030年12月31日までの入居分に延長されました。2026年以降の控除率は年末ローン残高の**0.7%**が基本です。
主な変更点は次のとおりです。
- 省エネ性能の高い中古住宅で、借入限度額や控除期間を拡充
- 子育て世帯・若者夫婦世帯への借入限度額上乗せを、中古住宅にも拡大
- 床面積40㎡以上の住宅も対象になる場合がある
- 2028年以降は、新築住宅の省エネ性能や立地に関する条件が一部変わる
適用される内容は、入居した年・住宅の種類・省エネ性能・世帯要件によって異なります。契約日や引き渡し日だけで判断せず、入居予定日を基準に確認しましょう。
子育て世帯はいくら控除される?
控除額は、年末時点のローン残高などをもとに計算します。目安としては、**年末残高と借入限度額のいずれか低い金額 × 0.7%**です。ただし、実際の控除額は所得税額などの範囲内で決まるため、計算上の金額がそのまま全額戻るとは限りません。
2026年・2027年に入居する場合の借入限度額の主な区分は以下のとおりです。
| 住宅の種類 | 新築・買取再販(一般/子育て世帯等) | 中古住宅(一般/子育て世帯等) | 控除期間 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 4,500万円/5,000万円 | 3,500万円/4,500万円 | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円/4,500万円 | 3,500万円/4,500万円 | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円/3,000万円 | 2,000万円/3,000万円 | 13年 |
表の金額は、控除額そのものではなく控除対象となるローン残高の上限です。たとえば認定住宅の新築で子育て世帯等に該当し、年末残高が5,000万円以上なら、単純計算でその年の控除額は最大35万円(5,000万円 × 0.7%)です。所得税・住民税から実際に差し引ける額は、税額やほかの要件で変わります。
2028年以降に入居する場合、新築の省エネ基準適合住宅は原則として対象外です。ただし、2027年12月31日までに建築確認を受けた住宅、または登記上の建築日が2028年6月30日までの住宅は、経過措置として借入限度額2,000万円・控除期間10年で対象になる場合があります。省エネ基準適合の買取再販住宅には別の扱いがあり、2028〜2030年入居では一般世帯2,000万円、子育て世帯等3,000万円・控除期間13年です。
購入予定の住宅がどの性能区分に当たるか、建築確認日や証明書類も含めて不動産会社・施工会社に確認してください。
「子育て世帯等」に当てはまる条件
制度上の「子育て世帯等」は、次のいずれかに当てはまる人です。
- 19歳未満の扶養親族がいる
- 40歳未満で配偶者がいる
- 40歳以上で、40歳未満の配偶者がいる
子どもがいる世帯だけでなく、一定の年齢条件を満たす若者夫婦世帯も対象です。家族構成や年齢は、要件に関係する時点を含めて国土交通省や税務署の案内で確認しましょう。
中古住宅を買う場合に確認したいこと
2026年からは、省エネ性能の高い既存住宅について、控除期間が最長13年に延び、子育て世帯等の借入限度額上乗せも対象に加わりました。中古住宅でも、新築と同じように住宅性能が控除条件に影響します。
購入前に、次の書類や条件を確認しておくと安心です。
- 住宅の省エネ性能が確認できる書類(認定通知書、性能証明書など)
- 耐震基準を満たしていることを確認できる書類
- 床面積と登記上の面積(広告の表示面積と異なることがあります)
- 入居時期と住宅区分(中古か、宅建業者が改修した買取再販住宅か)
「中古だから控除期間は10年」とは限りません。住宅の性能や取得形態により取り扱いが異なるため、販売資料にある「住宅ローン控除対象」の記載だけでなく、その根拠となる証明書も確認しましょう。
40㎡台の住宅は対象になる?
2026年以降の入居分では、床面積要件が新築住宅・既存住宅ともに40㎡以上へ緩和されました。合計所得金額が1,000万円以下であれば、一般的な中古住宅も40㎡以上50㎡未満で対象になる場合があります。住宅ローン控除を受けるための住宅性能や耐震性など、ほかの要件は別途満たす必要があります。
ただし、40㎡台の特例と子育て世帯等の借入限度額上乗せは併用できず、上乗せ措置を利用する場合は50㎡以上が必要です。子育て世帯等は、40㎡台の住宅で上乗せなしの控除を受けるか、50㎡以上の住宅で借入限度額上乗せを利用するか、条件を確認しましょう。
床面積は登記簿上の面積で確認します。マンションの広告で見かける壁芯面積ではなく、登記面積が要件を満たすかを売主や仲介会社に確認してください。新築住宅の建築確認期限に関する過去の案内は、2026年以降の改正後の制度と区別して確認しましょう。
控除を受けるための基本的な条件
住宅ローン控除には、住宅や借入、本人についていくつか基本要件があります。たとえば、次のような条件です。
- 自分が主として住む住宅である
- 引き渡しまたは工事完了から6か月以内に入居する
- 住宅ローンの返済期間が10年以上ある
- 合計所得金額が2,000万円以下である
- 住宅の床面積や省エネ性能などの要件を満たす
適用可否は個別事情によって変わります。投資用物件や親族から取得した住宅など、通常と異なる事情がある場合は、税務署や税理士に確認してください。
申請方法と必要書類
住宅ローン控除を初めて受ける年は、原則として確定申告が必要です。会社員の方も、入居した翌年に確定申告を行います。2年目以降は、給与所得者であれば勤務先の年末調整で手続きできる場合があります。
一般的には、次のような書類を準備します。
- 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住宅ローンの年末残高証明書
- 建物・土地の登記事項証明書や売買契約書の写し
- 住宅の性能を証明する書類(該当する場合)
- 源泉徴収票など所得を確認できる書類
必要書類は住宅の種類や入居年で異なります。国税庁の最新案内を見ながら、証明書の発行に時間がかかるものは早めに準備しておきましょう。
控除額だけで購入予算を決めない
住宅ローン控除は家計の助けになりますが、購入する住宅の価格や借入額を増やす理由にしすぎないことも大切です。控除額は年末残高と税額などで変わり、住宅性能を高めるための費用が控除の増加分を上回る場合もあります。
購入前には、控除を含めた資金計画とあわせて、固定資産税、修繕費、保育料、教育費なども見積もりましょう。制度を使えるかだけでなく、控除が終わった後も返済を続けられるかが大切です。
まとめ
- 2026年以降の住宅ローン控除は2030年入居分まで延長
- 控除率は年末ローン残高などの0.7%が基本
- 省エネ性能の高い中古住宅にも、控除期間の延長や子育て世帯等の上乗せが広がった
- 40㎡台でも対象になる場合があるが、上乗せ措置には50㎡以上が必要
- 初年度は原則確定申告。住宅性能の証明書も購入前に確認する
借入限度額は「戻ってくる金額」そのものではありません。入居年、住宅性能、床面積、所得をひとつずつ確認し、最新の国税庁・国土交通省の案内に沿って手続きしてください。
参考にした情報
- 国土交通省「住宅ローン減税」
- 国土交通省「住宅税制」
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」
- 財務省「令和8年度 税制改正(国税)等について」
- 国税庁「住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合」
※制度の内容は改正されることがあります。申告時には国税庁・国土交通省の最新情報をご確認ください。
