子ども・子育て支援金はいくら?2026年の負担額と給与明細の見方
「給与明細にある子ども・子育て支援金って何?」
「わが家はいくら負担するの?」
2026年4月から、医療保険料とあわせて納める子ども・子育て支援金が始まりました。会社員は基本的に給与から天引きされ、自営業などで国民健康保険に加入する方は保険料に上乗せされます。
金額は働き方や年収、加入する医療保険によって異なるため、制度名だけを見ても家計への影響がつかみにくいですよね。この記事では、2026年9月時点の公式情報をもとに、負担額の目安、給与明細の見方、支援金の使い道を整理します。
子ども・子育て支援金とは?まず押さえたいポイント
子ども・子育て支援金は、少子化対策として新設・拡充された子育て施策を、社会全体で支えるための仕組みです。税金ではなく、健康保険などの医療保険料の一部として集められます。
- 2026年4月分から負担が始まった
- 医療保険に加入する幅広い世代が対象
- 子育て中の世帯も負担する
- 会社員などの被用者保険は、基本的に本人と事業主が半分ずつ負担する
- 国民健康保険の金額は、自治体や世帯の所得などによって異なる
- 集めた支援金の使い道は、法律で子育て支援に限定されている
結婚しているか、子どもがいるかだけで負担の有無が決まる制度ではありません。ニュースなどで「独身税」と呼ばれることがありますが、正式な税の名称ではなく、未婚の方だけに課されるものでもありません。
いつから、どうやって支払う?
支援金は2026年4月分から始まっています。ただし、実際に支払う時期は加入する医療保険によって異なります。
| 加入する医療保険 | 負担の始まり方 |
|---|---|
| 会社員・公務員などの被用者保険 | 2026年4月分から。一般的には5月支給の給与から天引き |
| 国民健康保険 | 2026年4月分から。納付開始時期は市区町村ごとに異なる |
| 後期高齢者医療制度 | 2026年4月分から。納付開始時期は加入先ごとに異なる |
会社員の場合、勤務先が当月分の社会保険料を翌月の給与から控除していれば、5月の給与明細から反映されます。会社の控除方法によって表示月が異なることもあるため、わからないときは人事・労務担当者へ確認しましょう。
国民健康保険では、市区町村から届く納入通知書や決定通知書で金額と納付時期を確認します。支援金を納めるための個別申請は必要ありません。
会社員はいくら?2026年度の年収別目安
2026年度の被用者保険の支援金率は0.23%です。本人と事業主が基本的に半分ずつ負担するため、本人負担は総報酬の0.115%相当が目安になります。
こども家庭庁が示す年収別の試算は次のとおりです。年収には、毎月の給与だけでなく賞与も含まれます。
| 年収(標準報酬総額) | 本人負担の月額目安 | 年額に換算した目安 |
|---|---|---|
| 200万円 | 192円 | 約2,300円 |
| 400万円 | 384円 | 約4,600円 |
| 600万円 | 575円 | 約6,900円 |
| 800万円 | 767円 | 約9,200円 |
| 1,000万円 | 959円 | 約1万1,500円 |
年額は、公式の月額試算を12倍して10円単位に丸めた概算です。実際の控除額は、標準報酬月額・標準賞与額や加入先の端数処理などによって異なります。
毎月の給与から引かれる金額の考え方
毎月の本人負担額は、基本的に次の式で計算します。
標準報酬月額 × 0.23% ÷ 2
たとえば標準報酬月額が30万円なら、本人負担の目安は月345円です。
30万円 × 0.0023 ÷ 2 = 345円
標準報酬月額は、基本給だけでなく残業代や通勤手当などを含む報酬を、一定の幅で区分した金額です。手取り額や給与明細の総支給額に、そのまま0.115%を掛ける計算ではない点に注意しましょう。
賞与からも支援金が引かれる
支援金は毎月の給与だけでなく、賞与からも控除されます。賞与の本人負担額は、原則として標準賞与額に0.23%を掛け、事業主と折半して計算します。
毎月の給与明細だけを見て「年間でこの金額」と判断すると、ボーナス分を見落とすことがあります。年間の家計への影響を確認するときは、賞与明細もあわせて見ておきましょう。
共働きや扶養家族がいる世帯はどうなる?
共働きで夫婦それぞれが勤務先の健康保険の被保険者になっている場合は、それぞれの標準報酬に応じて負担します。
一方、配偶者や子どもが会社員の健康保険の被扶養者になっている場合、被扶養者本人に別の保険料負担は原則ありません。家族の人数分を単純に掛け算する制度ではありません。
たとえば、夫婦の一方が会社員で、もう一方と子どもがその健康保険の扶養に入っている場合、支援金は会社員本人の標準報酬をもとに計算されます。夫婦がそれぞれ会社員として健康保険に加入していれば、2人とも給与や賞与から控除されます。
国民健康保険はいくら?
国民健康保険の支援金額は、全国一律ではありません。市区町村が条例で定める料率を使い、世帯の所得や加入者数などに応じて計算します。
こども家庭庁は、夫婦の一方だけに給与収入があり、子どもがいる世帯について、2026年度の月額を次のように試算しています。
| 世帯の年収 | 1世帯あたりの月額目安 |
|---|---|
| 80万円 | 50円 |
| 100万円 | 50円 |
| 150万円 | 250円 |
| 200万円 | 400円 |
| 250万円 | 550円 |
| 300万円 | 650円 |
これは一定の条件を置いたモデル試算で、50円単位に丸めた金額です。実際の金額は自治体ごとに異なるため、手元の通知書かお住まいの市区町村の公式サイトで確認してください。
なお、国民健康保険では、高校生年代までの子どもにかかる支援金の均等割額は全額軽減されます。そのため、公式のモデル試算では、子どもの人数によって支援金額は変わらないとされています。
給与明細ではどこを見る?
給与明細では、控除欄に次のような名称がないか確認してみましょう。
- 子ども・子育て支援金
- 子ども子育て支援金
- 支援金
- 健康保険料の内訳
協会けんぽは、事業主に対して、給与明細で支援金額を健康保険料と区別して表示するよう協力を求めています。ただし、会社の明細様式によっては、健康保険料と合算して表示される可能性もあります。
確認したいときは、人事・労務担当者に「2026年4月分からの子ども・子育て支援金は、明細のどこに含まれていますか」と聞くとスムーズです。金額に疑問がある場合は、標準報酬月額と控除対象月もあわせて確認しましょう。
集めた支援金は何に使われる?
支援金は、新設・拡充された次のような子育て施策に使われます。
- 児童手当の所得制限撤廃、高校生年代までの対象拡大、第3子以降の増額
- 妊娠・出産時の10万円相当の「妊婦のための支援給付」
- 育児休業給付に上乗せする「出生後休業支援給付」
- 2歳未満の子どものために時短勤務をする方への「育児時短就業給付」
- 保育所などに通っていない子どもも利用できる「こども誰でも通園制度」
- 自営業・フリーランスなど国民年金第1号被保険者の育児期間中の保険料免除
それぞれの給付やサービスには対象条件や申請手続きがあります。支援金を負担していれば、すべての制度を自動的に利用できるわけではありません。
児童手当の金額や申請方法は、「児童手当はいくら・いつもらえる?2026年版の支給額と申請方法」も参考にしてください。
家計への影響はこう確認しよう
支援金だけを理由に家計を大きく組み直す必要はありませんが、社会保険料は毎月の手取りに直接影響します。次の順番で確認すると、負担をつかみやすくなります。
- 直近の給与明細で支援金の表示を探す
- 共働きなら夫婦それぞれの明細を確認する
- 賞与がある方は賞与明細も確認する
- 国民健康保険の方は自治体の通知書を見る
- 2027年度以降は金額が変わる可能性があるため、年に一度見直す
政府は、医療・介護分野の歳出改革などによる社会保険負担の軽減効果の範囲内で支援金を導入するため、「実質的な負担は生じない」と説明しています。ただし、これは支援金の控除自体がないという意味ではありません。給与明細や納入通知書には実際の支援金額が反映されるため、家計では手取り額を基準に確認しましょう。
よくある質問
Q. 子どもがいなくても支払いますか?
A. 医療保険に加入していれば、子どもの有無や婚姻状況だけで負担が免除される制度ではありません。未婚の方だけが負担する「独身税」でもなく、子育て世帯を含む幅広い世代で負担します。
Q. 育児休業中も給与から引かれますか?
A. 会社員などの被用者保険では、育児休業中に健康保険料が免除される期間は、子ども・子育て支援金も免除されます。免除の対象期間や勤務先の手続きは、人事・労務担当者へ確認してください。
Q. 2027年度以降も同じ金額ですか?
A. 同じとは限りません。制度は2028年度にかけて段階的に拡充される予定で、政府の試算では医療保険加入者1人あたりの全制度平均月額は、2026年度250円、2027年度350円、2028年度450円です。これは平均の見込みで、実際の負担額は加入先や収入などによって異なります。
まとめ
2026年4月から始まった子ども・子育て支援金は、医療保険料の一部として子育て施策を支える仕組みです。
- 会社員などの被用者保険は、2026年度の支援金率が0.23%で、基本的に労使折半
- 本人負担は総報酬の0.115%相当が目安
- 年収400万円なら月384円、年収600万円なら月575円が公式試算の目安
- 賞与からも控除される
- 国民健康保険は自治体や世帯の所得などによって金額が異なる
- 共働きでそれぞれ被保険者なら、夫婦それぞれが負担する
- 被用者保険の被扶養者には、原則として別の保険料負担はない
まずは直近の給与明細や国民健康保険の通知書で、実際の金額を確認してみましょう。見つからないときは勤務先や市区町村へ問い合わせると、わが家の負担を正確に把握できますよ。
参考情報
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」
- こども家庭庁「医療保険制度ごとの年収別試算」
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度のQ&A」
- 協会けんぽ「協会けんぽの子ども・子育て支援金率について」
- 厚生労働省「手取り額の変化について」
※この記事は2026年9月時点の一般的な情報をまとめたものです。実際の支援金額、控除月、給与明細の表示方法は加入する医療保険や勤務先、自治体などによって異なります。最新情報は加入先の医療保険、勤務先、お住まいの市区町村へご確認ください。