子どものインフルエンザ、いつ受診?症状・おうちケア・登園目安
子どもがインフルエンザにかかったとき、呼吸が苦しい・意識がはっきりしない・けいれんが続く場合は119番へ。そこまでではなくても、夜間や休日に受診先を迷うときは、子ども医療電話相談 #8000 で相談できます。症状が安定している場合も、持病や年齢、症状に応じてかかりつけの小児科へ連絡しましょう。
COTETE POINT
体温の数字だけではなく、「呼吸・意識・水分と尿」を見てください。緊急のサインがあるときは、電話前の記録や検索で受診を遅らせず、119番または医療機関へ連絡しましょう。
インフルエンザに似た症状でも、別の感染症や合併症のことがあります。この記事では、受診の緊急度、おうちでのケア、抗インフルエンザ薬、異常行動への備え、登園再開の目安を整理します。
子どものインフルエンザで見られやすい症状
インフルエンザは、感染してから1〜3日ほどの潜伏期間を経て、次のような症状が突然現れることが多い感染症です。
- 38℃以上の発熱
- 頭痛、体のだるさ
- 筋肉痛や関節痛
- せき、鼻水、のどの痛み
- 食欲の低下
一般的な風邪よりも、発熱やだるさなどの全身症状が強く出やすいことが特徴です。ただし、症状の出方には個人差があり、高い熱が出ない場合もあります。症状だけでインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、ほかの呼吸器感染症を見分けることはできません。
子どもでは中耳炎、熱性けいれん、気管支炎、肺炎などを合併することがあります。まれですが、急に意識状態が悪くなるインフルエンザ脳症にも注意が必要です。
受診の緊急度を確認する
次の表は相談先を考えるための目安です。子どもの様子が急に悪くなる、保護者が強い危険を感じる場合は、表の分類にかかわらず医療機関へ連絡してください。
| 状況 | 相談・受診先の目安 |
|---|---|
| 呼びかけても反応しない、呼吸が明らかに苦しい、唇や顔色が紫色、けいれんが続く | 119番へ連絡します。 |
| 夜間・休日で受診先に迷うが、呼吸や意識は保たれている | #8000へ相談します。受付時間や相談できる内容は都道府県で異なります。 |
| 発熱やせきが続く、耳を痛がる、飲水・尿が減った、持病がある | かかりつけの小児科へ連絡し、受診方法を確認します。 |
生後3か月未満の赤ちゃんに発熱がある場合や、喘息、心臓病、免疫の病気などの基礎疾患がある場合は、早めにかかりつけ医へ相談してください。#8000は受診を迷うときの相談窓口で、緊急の症状がある場合は119番や医療機関への連絡を優先します。
受診時に伝えること
発熱があることを事前に電話やウェブ予約で伝え、分かる範囲で次の内容を説明しましょう。記録に時間をかけず、緊急性を感じる場合は先に連絡してください。
- 症状が始まった日時と最高体温
- 呼吸や反応の様子
- 水分が取れているか、最後に尿が出た時間
- 嘔吐・けいれんなど、ほかの症状
- 持病、服用中の薬、使った解熱剤
- 家族や園・学校での感染状況
抗インフルエンザ薬は全員に必要?
抗インフルエンザ薬には、発熱している期間を短くする効果が期待できます。日本小児科学会は、幼児、重症化リスクの高い基礎疾患がある子ども、呼吸器症状が強い子どもには投与を推奨しています。
一般に発症から48時間以内の使用が原則ですが、すべての子どもに必ず必要な薬ではありません。年齢、症状、基礎疾患、発症からの時間などをもとに医師が判断します。48時間を過ぎていても、症状が強い、重症化リスクがある場合は治療が検討されることがあるため、「もう遅い」と自己判断せず相談してください。
薬が処方されたら、量と回数を守って使います。飲めなかった、吐いた、副作用が心配といったときは、自己判断で追加や中止をせず、処方した医療機関や薬剤師へ確認しましょう。
発熱中のおうちケア
飲めるものを少しずつ
食事が進まないと心配になりますが、発熱中はまず水分を取ることが大切です。水や麦茶、スープ、経口補水液など、子どもが飲めるものを少量ずつこまめに与えます。
一度にたくさん飲むと吐いてしまう場合は、スプーンや小さなコップで少しずつ試しましょう。口の中が乾いている、泣いても涙が少ない、尿の回数が減っているときは脱水のサインかもしれません。
食事は無理に食べさせない
水分が取れていれば、食欲が戻るまで無理に食べさせる必要はありません。食べたがるときに、おかゆ、うどん、スープ、果物、ゼリーなど、のどごしがよく消化しやすいものを少量から用意します。
暑くしすぎず、ゆっくり休ませる
寒気がある間は掛け物で調整し、暑がるようになったら着せすぎを避けます。室内を時々換気し、本人が楽に過ごせる環境で休ませましょう。
熱があることだけを理由に、必ず解熱剤を使う必要はありません。つらくて眠れない、水分が取りにくいときは、医師から指示された子ども用の薬を用法どおりに使います。大人用の薬、きょうだいに処方された薬、以前の残り薬は使わず、市販薬は医師や薬剤師へ確認してください。
発熱から2日間は異常行動にも備える
インフルエンザにかかった子どもでは、抗インフルエンザ薬を使ったかどうかや薬の種類にかかわらず、突然走り出す、外へ出ようとする、意味の通らないことを言うなどの異常行動が報告されています。特に発熱から2日間は注意が必要です。
- できるだけ子どもを一人にしない
- 玄関と窓を確実に施錠する
- ベランダに面していない部屋で寝かせる
- 可能なら1階の部屋で休ませる
寝ているから大丈夫と思わず、定期的に呼吸や顔色、呼びかけへの反応を確認してください。異常な言動が続く、意識がおかしい、けいれんがある場合は、すぐに医療機関へ相談します。
家族へうつさないためにできること
インフルエンザは、せきやくしゃみの飛沫、ウイルスが付いた手指や物を介して広がります。家庭内では、できる範囲で次の対策を続けましょう。
- 帰宅後、看病の前後、鼻をかんだあとに手を洗う
- せきやくしゃみをティッシュや腕の内側で覆う
- 使用したティッシュはすぐに捨て、そのあと手を洗う
- タオル、コップ、食器の共用を避ける
- 部屋をこまめに換気する
- 看病する人をできる範囲で決める
小さな子どもに無理にマスクを着け続けさせる必要はありません。特に2歳未満のマスクは避け、年齢や体調に合わせて、手洗いと換気を中心に対策しましょう。
保育園・幼稚園はいつから行ける?
乳幼児がインフルエンザにかかった場合、登園の目安は、**「発症したあと5日を経過し、かつ、解熱したあと3日を経過していること」**です。どちらか一方だけでなく、両方を満たす必要があります。
発症した日と解熱した日は日数に数えず、その翌日を1日目として数えます。朝だけ平熱だった、解熱剤を使って熱が下がったという場合は「解熱」とせず、薬を使わなくても平熱が続いているかを確認してください。
園によって、登園届や医師の意見書など必要な書類が異なることがあります。登園前に園へ確認し、日数の条件を満たしていても、食事や水分が取れない、せきが強い、元気が戻っていない場合は、もう少し自宅で休ませましょう。
元気になったあとも無理をさせずに
インフルエンザは多くの場合1週間ほどで軽快しますが、熱が下がっても体力がすぐ元どおりになるとは限りません。室内で静かに過ごすことから始め、食欲や睡眠、遊ぶ様子を見ながら少しずつ普段の生活へ戻しましょう。
予防接種を受けていても感染することはありますが、発症や重症化を防ぐ効果が期待できます。これから接種を検討する方は、子どものインフルエンザ予防接種の時期と回数も参考にしてください。
高い熱が出ると不安になりますが、体温だけでなく「呼吸・意識・水分」を見ることが大切です。いつもと違うと感じたら、ひとりで判断を抱え込まず、かかりつけ医や#8000へ相談してくださいね。
