子どもの防災リュック、何を入れる?乳幼児家庭の持ち出し品と備蓄リスト
9月1日の「防災の日」が近づくと、「わが家の備え、このままで大丈夫かな」と気になりますよね。赤ちゃんや小さな子どもがいる家庭では、おむつやミルク、離乳食など、大人だけの避難とは違う準備が必要です。
けれど、必要そうな物を全部リュックへ詰めると、重くて持ち出せなくなることも。大切なのは、避難時に持つ防災リュックと、自宅で生活を続けるための在宅備蓄を分けて考えることです。
この記事では、子どもの防災リュックに入れたい物を、基本・年齢別に整理します。家にある物から、無理なく始めてみましょう。
「持ち出し品」と「在宅備蓄」は分けて準備しよう
防災用品は、使う場面によって置き場所と量が変わります。
- 非常持ち出し品:避難するとき、すぐ持って出る物
- 在宅備蓄:自宅で停電・断水が続くときに使う物
- 普段の子育てバッグ:外出先で被災した直後を乗り切る物
防災リュックへ何日分もの水やおむつを詰め込みすぎると、子どもを抱っこして歩くのが難しくなります。まずは「これを背負って、子どもと安全に避難できるか」を優先しましょう。
普段使っているマザーズバッグに、ライトやモバイルバッテリー、携帯トイレなどを足す方法なら、今日から始めやすいですよ。
子どもがいる家庭の防災リュック基本リスト
家族で共通して使う物は、大人のリュックへまとめます。
- 飲料水と、開けてすぐ食べられる非常食
- LEDライトやヘッドライト、予備の電池
- スマートフォン用モバイルバッテリーと充電ケーブル
- 携帯トイレ
- 救急用品と常備薬
- マスク、除菌シート、ティッシュ
- タオル、着替え、雨具
- ごみ袋、防臭袋、ポリ袋
- 現金(小銭を含む)
- 母子健康手帳・お薬手帳の必要なページのコピー
- 家族の連絡先、集合場所を書いたメモ
- 家族写真、ホイッスル
水や食品は、賞味期限だけでなく「子どもが食べ慣れているか」も大切です。非常食を初めて口にするのが避難所にならないよう、平常時に一度試しておくと安心です。
赤ちゃんがいる家庭で追加したい物
赤ちゃん用品は避難先ですぐ手に入るとは限りません。月齢と普段の授乳・食事に合わせて用意します。
- 今のサイズの紙おむつ
- おしりふき、おむつ替えシート
- 使用済みおむつを入れる防臭袋
- 乳児用液体ミルク(粉ミルクの場合は、調乳用の飲料水と70℃以上の湯を確保する手段)
- 哺乳瓶、紙コップなど家庭に合う授乳用品
- 月齢に合うベビーフードと使い捨てスプーン
- ガーゼ、タオル、着替え、スタイ
- 抱っこひも
- お気に入りの小さなおもちゃや安心できる物
粉ミルクは無菌ではないため、厚生労働省は70℃以上のお湯で調乳するよう案内しています。粉ミルクを持ち出す場合は、調乳用の飲料水に加え、清潔な保温容器など、避難時にも70℃以上のお湯を確保する手段をセットで準備しましょう。やけどに注意し、調乳後は人肌程度まで冷ましてから与えます。
熱いお湯を用意できない場合に備えて、調乳せずそのまま与えられる乳児用液体ミルクを準備する方法もあります。液体ミルクやベビーフードは、対象月齢と保存方法、開封後の扱いを商品表示で確認しておきましょう。普段は母乳中心の家庭も、災害時の授乳場所や水分・食事の確保について家族で話しておくと、慌てにくくなります。
抱っこひもは、足元が悪い場所で両手を空ける助けになります。長くしまったままにせず、家族の誰でも装着できるよう、ときどき使い方を確認しておきましょう。
幼児・小学生本人のリュックに入れる物
子どもが自分で背負える年齢になったら、小さなリュックを一緒に作るのもよい方法です。ただし、重い水や家族分の食料を無理に持たせる必要はありません。
- 小さな飲み物
- 食べ慣れたおやつ
- 子ども用マスク
- 靴下や下着など軽い着替え
- ハンカチ、ティッシュ
- 小さなおもちゃ、折り紙、絵本
- 連絡先を書いたカード
- ホイッスルや防犯ブザー
実際に背負わせて、重すぎないか、歩きにくくないかを確認します。大切な薬や個人情報は子どもだけに持たせず、大人の荷物にも分けておきましょう。
アレルギーと常用薬は「伝える備え」も忘れずに
食物アレルギーがある子は、避難所で配られる食品を食べられない場合があります。食べ慣れたアレルギー対応食を備え、アレルギーの原因、症状、緊急連絡先を記したカードも用意しましょう。
毎日使う薬がある場合は、薬そのものに加えて、薬の名前や量がわかるお薬手帳のコピーを準備します。薬の保管方法や予備については、事前にかかりつけ医や薬剤師へ相談してください。
在宅備蓄は最低3日、できれば1週間を目安に
内閣府は、飲料水や食料を最低3日分、できれば1週間分備えるよう案内しています。飲料水の目安は、調理に使う分も含めて1人1日3リットルです。
在宅用には、次の物を防災リュックとは別に保管します。
- 家族分の飲料水と食料
- カセットコンロと燃料
- 携帯トイレ、トイレットペーパー
- ライト、電池、モバイルバッテリー
- おむつ、おしりふき、生理用品
- ミルク、ベビーフード、子ども用の食品
- 体を拭けるシート、ごみ袋、防臭袋
特別な非常食だけでそろえなくても大丈夫です。水、レトルト食品、おむつなどを少し多めに買い、使った分だけ足すローリングストックなら、賞味期限切れやサイズアウトを防ぎやすくなります。
防災リュックを作るときの3つのコツ
1. 中身を小分けにする
雨や水漏れに備えて、着替え、衛生用品、食品などをそれぞれ防水できる袋へ入れます。家族ごと、用途ごとに分けておくと、暗い場所でも必要な物を探しやすくなります。
2. 実際に背負って避難経路を歩く
リュックを背負い、抱っこひもやベビーカーを使う場合も含めて、玄関から避難場所まで歩いてみましょう。段差、狭い道、夜に暗くなる場所など、地図だけではわからない点に気づけます。
3. 子どもの成長に合わせて見直す
おむつのサイズ、離乳食の段階、服、薬は短期間で変わります。子どもの誕生日、防災の日、季節の変わり目など、覚えやすい時期を見直し日に決めましょう。食品や電池の期限、モバイルバッテリーの充電も一緒に確認します。
物だけでなく、家族の行動も決めておこう
災害時は、家族が別々の場所にいることもあります。次のことを、子どもの年齢に合わせて共有しておきましょう。
- 自宅周辺の災害リスクと避難場所
- 保育園・幼稚園・学校の引き渡しルール
- 家族が離れているときの連絡方法と集合場所
- 災害用伝言ダイヤル「171」の使い方
- 子どもが困ったときに頼れる大人
怖がらせるのではなく、「地震のときはここで頭を守ろう」「このリュックを持っていこう」と、短い言葉で一緒に確認すると伝わりやすくなります。
今日できる一つから始めよう
子どもの防災準備を一度ですべて完成させるのは大変です。まずは普段の子育てバッグを開き、ライト、携帯トイレ、連絡先メモの3つを足すところからでも十分な一歩です。
防災リュックは、そろえたら終わりではなく、子どもの成長と暮らしに合わせて育てていくもの。ママ一人で抱え込まず、家族で中身を確認しながら、持てる重さと使いやすさを整えていきましょう。