「妊娠中に下痢が続いていて不安…」「赤ちゃんに影響しないかな?」と心配になりますよね。
妊婦の下痢は、食事の変化や感染性胃腸炎、ストレスなどで起こることがあります。短期間で治まる軽い下痢であれば、赤ちゃんへの影響を過度に心配しなくてよいことが多いとされますが、注意したいのは脱水と、ほかの症状を伴うケースです。水分をこまめにとって休み、症状が続く・悪化する場合は産科へ相談しましょう。
下痢に加えて、強い腹痛、発熱、血便、水分がとれない、尿が減る、出血、規則的なお腹の張り、胎動の変化がある場合は、早めにかかりつけの産科へ連絡してください。
妊娠中の下痢は赤ちゃんに影響する?
下痢そのものが、すぐに赤ちゃんへ影響するとは限りません。軽い下痢が短期間で落ち着き、水分がとれて体調が安定している場合は、休みながら様子を見られることが多いです。
一方で、次のような状態では、ママの体調を通して妊娠経過に影響する可能性があるため、早めの相談が必要です。
- 下痢や嘔吐が続き、水分がとれず脱水が心配
- 高い発熱がある
- 強い腹痛や、規則的なお腹の張りを伴う
- 血便や黒っぽい便が出る
また、食中毒の原因菌の中には、妊娠中に特に注意が必要なものがあります。生肉やナチュラルチーズなどを食べたあとに発熱や下痢が出た場合は、その食品も伝えて相談しましょう。避けたい食品は妊娠中に食べてはいけないもので確認できます。
下痢だけで原因や赤ちゃんへの影響を判断することはできません。軽くても続く、悪化する、ほかの症状を伴う場合は医療機関へ相談しましょう。
妊娠初期の下痢はいつまで続く?
妊娠初期の下痢が「何週まで続く」という決まった期間はありません。原因によって続く期間が変わります。
- 感染性胃腸炎や食あたり:数日から1週間ほどで落ち着くことが多い
- つわりによる食事内容の変化:食べられるものが偏る間は、お腹がゆるい状態が続くことがある
- サプリや薬が合わない:飲み始めたものがある場合は、自己判断で中止せず医師や薬剤師に相談する
下痢だけを妊娠のサインや流産の兆候と決めつけることはできません。数日たっても治まらない、回数が増える、嘔吐も重なって水分がとれない場合は、様子を見続けずに産科へ連絡しましょう。
妊娠初期・中期・後期で原因は違う?
妊娠中の下痢には、妊娠に伴う体調や食生活の変化だけでなく、妊娠していないときと同じように感染性胃腸炎や食あたりなど、さまざまな原因があります。
- 食事内容や食べる量の変化
- ストレスや寝不足で自律神経が乱れる
- ウイルスや細菌による感染性胃腸炎、食あたり
- サプリや薬が体質に合わず、お腹がゆるくなる
- もともとの過敏性腸症候群など、消化器の不調
どの時期にも起こりうる原因は共通ですが、時期によって確認したいポイントが変わります。
妊娠初期の下痢
つわりで食事内容が変わったり、食べられるものが偏ったりする時期です。嘔吐も重なって水分がとれない場合は、脱水に注意が必要です。
妊娠中期の下痢
食事や感染症、薬・サプリなど幅広い原因を確認します。発熱、繰り返す嘔吐、強い腹痛がある場合や、周囲にも同じ症状の人がいる場合は、感染性胃腸炎などの可能性も考えて早めに相談しましょう。
妊娠後期の下痢
下痢による腹痛と子宮収縮を自分で見分けにくいことがあります。規則的な張り、出血、破水のような水分、胎動の変化を伴う場合は、下痢だけと思わず産科へ連絡してください。
下痢とお腹の張り・腹痛の違い
下痢のときの腹痛と、子宮が収縮する「お腹の張り」は、自分では区別しにくいことがあります。次の点を目安に確認してみましょう。
| 確認する点 | 下痢に伴う腹痛でみられる傾向 | お腹の張りでみられる傾向 |
|---|---|---|
| 痛む場所 | おへそ周りや腸のあたりが差し込むように痛む | お腹全体が硬くなる、締めつけられる |
| 排便との関係 | 排便後に軽くなることが多い | 排便しても変わらないことがある |
| 繰り返し方 | 便意とともに波がある | 一定の間隔で繰り返すことがある |
これはあくまで目安で、両方が同時に起こることもあります。排便後も痛みが続く、張りが規則的に繰り返す、出血を伴う場合は産科へ連絡してください。張りの見分け方は妊娠中のお腹の張りの原因と受診目安で詳しくまとめています。
妊娠中に下痢をしたときの自宅での対処法
まず確認したい3つのポイント
- 水分がとれているか:口が乾く、尿の回数や量が減る、尿の色が濃い、立ちくらみがあるときは、水分不足のサインかもしれません。
- ほかの症状がないか:発熱、嘔吐、強い腹痛、血便がある場合は、早めの相談が安心です。
- どれくらい続いているか:下痢が続く、回数が増える、体調が悪化する場合は、自己判断で様子を見続けないようにしましょう。
こまめな水分補給
一気飲みではなく、少量ずつこまめに。水や白湯、スープなど、飲みやすいものを選びましょう。水分が保てないほど吐く場合や、尿が明らかに減っている場合は医療機関へ相談してください。
胃腸を休める食事にする
症状がある間は、消化のよい食事を中心にします。
- おかゆ
- やわらかく煮たうどん
- すりおろしりんご
- バナナ
- 具をやわらかくしたスープ
脂っこいもの、香辛料の強いもの、冷たいものは、落ち着くまで控えめがおすすめです。
体を冷やしすぎない
お腹や足元を冷やすと、つらさが増すことがあります。腹巻きやひざ掛けを使って、心地よい体温を保ちましょう。
無理せず休む
家事や仕事を続けると回復が遅れることもあります。「今日は休む日」と決めて、体力を温存することも大切です。日頃の食事や休み方は妊娠中の生活で気をつけることも参考にしてください。
医療機関へ相談したい症状
次のような症状があるときは、かかりつけの産婦人科へ連絡してください。
- 38℃以上の発熱がある
- 強い腹痛が続く、または痛みが強くなる
- 血便や黒っぽい便が出る
- 水分がとれず、尿がほとんど出ない
- 下痢が続く、悪化する、または回数が増えている
- お腹の張りが頻回、出血、胎動の変化がある
妊娠中は「迷ったら相談」で大丈夫です。早めに連絡して、必要な対応を確認しましょう。性器からの出血がある場合は妊娠中の出血の見方、胎動の変化が気になる場合は胎動が少ない・感じないときの受診目安もあわせて確認してください。
市販の下痢止めを使ってもいい?
市販の下痢止めや整腸薬を自己判断で使わず、産科の医師または薬剤師に確認しましょう。妊娠週数、下痢の原因、ほかに飲んでいる薬によって判断が変わります。処方薬を使用中の場合も、自分の判断だけで中止せず相談してください。
よくある質問
Q. 下痢があると流産や早産につながりますか?
軽い下痢が短期間で治まる場合は、過度に心配しなくてよいことが多いです。ただし、強い腹痛・脱水・発熱・お腹の張りを伴う場合は、早めに受診しましょう。
Q. ヨーグルトや乳製品は食べてもいいですか?
体質によってはお腹がゆるくなることがあります。症状が強い間は少量で様子を見て、合わないと感じたらいったん控えると安心です。
Q. 仕事は休んだ方がいいですか?
下痢が続く日は、無理せず休む方が回復しやすいです。立ち仕事や移動が多い場合は、特に早めに休息をとってください。
Q. 妊娠中の下痢と腹痛は、どこまで様子を見ていい?
軽い腹痛が排便後に治まり、水分がとれて体調が安定している場合は、休みながら経過を見られることもあります。強い痛み、繰り返す痛み、規則的なお腹の張り、出血、発熱、血便を伴う場合は産科へ連絡してください。
Q. 下痢のことは妊婦健診で伝えたほうがいい?
すでに治まっていても、繰り返す場合や長引いた場合は、次の妊婦健診で伝えておくと安心です。症状が強いときは健診を待たずに連絡しましょう。
まとめ
妊娠中の下痢は、食事や生活リズムの変化、感染症などで起こることがあります。大切なのは、脱水を防ぎながら、危険サインを見逃さないことです。
- 短期間の軽い下痢なら、赤ちゃんへの影響を過度に心配しなくてよいことが多い
- 妊娠初期の下痢が続く期間は原因によって異なり、数日たっても治まらなければ相談する
- 下痢の腹痛とお腹の張りは見分けにくく、排便後も続く痛みや規則的な張りは連絡する
- こまめな水分補給と消化のよい食事を意識し、冷えと無理を避ける
- 発熱・強い腹痛・血便・脱水・出血・胎動の変化があればすぐ相談する
不安なときは我慢しなくて大丈夫。あなたと赤ちゃんを守るために、早めの相談を選んでくださいね。
参考にした情報
※この記事は一般的な情報をまとめたもので、個別の診断や治療に代わるものではありません。症状が続く、悪化する、判断に迷う場合は、かかりつけの産科へ相談してください。
