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子宮筋腫があっても妊娠できる?妊活前の検査・手術の考え方

子宮筋腫があっても妊娠できる?妊活前の検査・手術の考え方

健康診断や婦人科の超音波検査で子宮筋腫を指摘されると、「このまま妊活を始めても大丈夫?」「先に手術したほうがいいの?」と心配になりますよね。筋腫があると妊娠できないのでは、と不安を感じる方もいるかもしれません。

子宮筋腫は珍しい病気ではなく、筋腫があっても妊娠・出産する方はたくさんいます。妊娠しやすさへの影響は、筋腫があるかどうかだけでなく、できた場所、大きさや数、子宮の内側の形、年齢、ほかの不妊原因などによって変わります。

この記事では、子宮筋腫と妊娠の関係、妊活前に確認したい検査、手術を検討するケースを整理します。「何センチなら手術」と自己判断せず、診察で自分の状況を確認するための準備として読んでみてくださいね。

子宮筋腫とは?

子宮筋腫は、子宮の筋肉からできる良性の腫瘍です。がんではありません。日本産婦人科医会によると、30代以降に多く、40代では4人に1人に見つかるといわれるほど身近な病気です。

小さく症状のない筋腫は、検診や妊娠初期の超音波検査で偶然見つかることもあります。一方で、できる場所や大きさによっては、次のような症状が現れます。

  • 生理の量が多い、レバーのような血の塊が出る
  • 生理が長く続く
  • 生理痛が強い
  • 貧血による疲れやすさ、息切れ、めまいがある
  • 下腹部に張りや圧迫感がある
  • トイレが近い、便秘になりやすい
  • 性交時に痛みがある

症状の強さと筋腫の大きさが必ず一致するわけではありません。小さくても子宮の内側へ張り出していると出血が多くなることがあり、大きくても目立った症状がない場合もあります。

妊娠への影響は「場所」が大切

子宮筋腫は、できる場所によって大きく3種類に分けられます。

粘膜下筋腫

子宮の内側にある子宮内腔へ向かって育つ筋腫です。受精卵が着床する場所の形を変えたり、子宮内膜の状態に影響したりするため、3種類の中では妊娠しやすさへの影響が大きいと考えられています。

小さくても過多月経や不正出血の原因になることがあります。妊娠を希望している場合は、子宮鏡検査などで子宮内腔への張り出し方を詳しく確認します。

筋層内筋腫

子宮の筋肉の中で育つ、よく見られるタイプです。すべてが妊娠に影響するわけではありませんが、大きい、多数ある、子宮内膜に接している、子宮内腔を変形させているといった場合は、着床や妊娠経過への影響を検討します。

筋層内筋腫を手術すれば必ず妊娠率が上がる、という結論は出ていません。年齢や妊活期間、卵巣予備能、手術後の待機期間も含めて個別に判断します。

漿膜下筋腫

子宮の外側へ向かって育つ筋腫です。子宮内腔の形を変えない場合は、一般に妊娠しやすさへの影響は小さいとされています。ただし、大きくなると周囲の臓器を圧迫したり、妊娠中の管理に影響したりすることがあるため、大きさや位置を確認しておきます。

子宮筋腫があると妊娠できない?

子宮筋腫があるだけで、妊娠できないと決まるわけではありません。影響が小さく、治療をせずに妊活を始めるケースも多くあります。

一方で、子宮内腔を変形させる筋腫では、次のような仕組みで妊娠しにくさに関係する可能性があります。

  • 受精卵が着床する場所の形や血流に影響する
  • 卵管の入り口を圧迫し、精子や受精卵の移動を妨げる
  • 子宮の収縮や子宮内膜の環境に影響する
  • 過多月経による貧血で体調を崩しやすくなる

ただし、不妊の原因はひとつとは限りません。排卵、卵管、年齢、精液所見などを確認せず、筋腫だけを原因と決めつけないことが大切です。日本産婦人科医会も、筋腫の治療前にパートナーを含めた不妊症の評価を行うことを勧めています。

妊活前に確認したい検査

すでに子宮筋腫を指摘されている方は、「妊娠を希望している」と婦人科で伝えましょう。症状を抑える治療と妊娠を目指す治療では、選び方が変わるためです。

問診と貧血の確認

生理の日数や出血量、痛み、妊活期間、過去の妊娠・流産、手術歴、服用中の薬などを確認します。出血が多い方は、血液検査で貧血や鉄不足を調べることがあります。

受診前に、次の内容をメモしておくと伝えやすくなります。

  • 生理が始まった日と続いた日数
  • ナプキンを替える頻度や夜用でも漏れることがあるか
  • 血の塊の有無
  • 痛み止めを使った日と効き方
  • めまい、息切れ、動悸、強い疲れの有無
  • 妊活を始めた時期

超音波検査

経腟超音波検査などで、筋腫の位置、大きさ、数、子宮内腔との関係を確認します。定期的に経過を見ている場合は、以前と比べて大きさが変わっているかも確認します。

性交経験や体の状態によっては、お腹の上から行う超音波検査など別の方法を相談できます。検査に不安がある場合は、予約時や診察前に伝えて大丈夫です。

MRI・子宮鏡検査など

筋腫が多い、手術を検討している、超音波だけでは位置を判断しにくい場合などは、MRI検査を行うことがあります。

粘膜下筋腫や子宮内腔の変形を詳しく見るため、細いカメラで子宮の中を確認する子宮鏡検査や、子宮内へ液体を入れて超音波で形を見る検査を提案されることもあります。必要な検査は一律ではありません。

ふたりの不妊検査

妊活が進まない場合は、筋腫の確認と並行して、排卵の有無、卵管の通り、卵巣予備能、精液検査などを組み合わせます。先に筋腫の手術をするか、不妊治療を進めるかを決めるうえでも、全体を把握することが重要です。

手術は必ず必要?

子宮筋腫が見つかっても、すべての方に手術が必要なわけではありません。症状が軽く、子宮内腔の変形がなく、妊娠への影響が小さいと考えられる場合は、定期的に大きさを確認しながら妊活を進めることがあります。

妊娠を希望する方で手術が検討されやすいのは、次のようなケースです。

  • 粘膜下筋腫が子宮内腔へ張り出している
  • 筋層内筋腫が子宮内腔を変形させている
  • 過多月経や貧血、痛みなどの症状が強い
  • 筋腫が大きい、または数が多い
  • 卵管の入り口や子宮頸部付近を圧迫している
  • ほかに明らかな原因がなく、妊娠しない期間が続いている
  • 流産を繰り返し、筋腫の関与が疑われる

「何センチ以上なら必ず手術」という単純な線引きではありません。日本産婦人科医会は、粘膜下筋腫には子宮鏡手術を積極的に検討し、子宮内腔を変形させる筋層内筋腫でも手術を検討するとしています。一方で、手術には出血、感染、術後の癒着などのリスクがあり、新しい筋腫ができる可能性もあります。

妊娠を希望する場合の主な治療

子宮鏡下手術

腟から子宮鏡を入れ、子宮内腔へ張り出した粘膜下筋腫を切除する方法です。お腹を切らずに行えますが、筋腫の大きさや子宮内腔への突出の程度によって適応が決まります。1回で取りきらず、複数回に分けることもあります。

腹腔鏡手術・開腹手術

子宮の筋肉の中や外側にある筋腫は、数、大きさ、位置に応じて腹腔鏡手術や開腹手術で筋腫だけを取り除く「筋腫核出術」を検討します。

手術後は子宮の傷が回復するまで妊活を待つよう案内されることがあります。必要な期間は手術方法や傷の深さで異なるため、自己判断で再開せず、手術を担当した医師に確認しましょう。妊娠後の分娩方法も、手術した場所や子宮壁の状態によって個別に判断されます。

薬による治療

ホルモン治療は出血や痛みを軽くしたり、筋腫を一時的に小さくしたりするために使われます。ただし、治療中は排卵を抑える薬も多く、自然妊娠を目指す期間とは両立しないことがあります。

薬で症状を整えてから手術する、貧血を改善してから治療方針を決めるなど、目的をはっきりさせることが大切です。妊活中であることを伝え、処方薬を自己判断で中止しないでください。

子宮動脈塞栓術や集束超音波治療など、子宮を残す治療もありますが、将来の妊娠への影響が十分に確立していない方法があります。妊娠を希望する場合は、婦人科や生殖医療の専門医に適応を慎重に相談しましょう。

年齢と「待つ時間」も一緒に考える

手術を受ける場合、検査、手術、回復、妊活再開までに時間がかかります。年齢が上がるにつれて妊娠しやすさは変化するため、筋腫だけでなく時間の影響も含めて方針を決める必要があります。

たとえば、年齢や卵巣予備能によっては、先に採卵して受精卵を凍結する、手術をせず不妊治療を進める、手術後に試す期間を決めるといった選択肢を検討することがあります。

診察では、次の点を確認してみましょう。

  • 私の筋腫は子宮内腔を変形させていますか?
  • 妊娠しやすさへの影響はどの程度考えられますか?
  • 今すぐ妊活を始める選択肢はありますか?
  • 手術をする利点と、しない場合の注意点は何ですか?
  • 手術後はいつから妊活を再開できますか?
  • 年齢や卵巣予備能を踏まえ、不妊治療を先に進める選択肢はありますか?
  • パートナーの検査も同時に受けたほうがよいですか?

妊娠したあとはどうなる?

子宮筋腫があっても、そのまま妊娠経過が安定する方は多くいます。ただし、筋腫の位置や大きさによっては、妊娠中の痛み、早産、赤ちゃんの向きの異常、胎盤の位置や分娩時の出血などに注意が必要になることがあります。

妊娠がわかったら、初診時に子宮筋腫を指摘されたことや手術歴を伝えましょう。必要に応じて、妊娠中も超音波検査で筋腫の位置や大きさ、胎盤との関係を確認します。

リスクがあると聞くと不安になりますが、筋腫があるだけで帝王切開になる、トラブルが起こると決まるわけではありません。自分の筋腫が妊娠・分娩にどう関係するかを、妊婦健診で個別に確認していきます。

早めに婦人科へ相談したいサイン

妊活を始める前でも、次のような症状がある場合は婦人科へ相談しましょう。

  • 生理用品が1〜2時間もたないほど出血が多い
  • 大きな血の塊が繰り返し出る
  • めまい、息切れ、動悸、立ちくらみがある
  • 痛み止めを使っても日常生活が難しい
  • 下腹部の張りや圧迫感が強くなった
  • 生理以外の出血が続く
  • 急に強い腹痛が起きた

出血が多く、ふらついて立てない、意識が遠のく、息苦しいといった場合は、早めの受診や救急相談を検討してください。強い症状を「筋腫だから仕方ない」と我慢し続けなくて大丈夫です。

よくある質問(FAQ)

Q. 子宮筋腫があっても自然妊娠できますか?

A. 自然妊娠する方は多くいます。影響は筋腫の位置、大きさ、数、子宮内腔の変形によって異なります。筋腫以外の要因もあるため、妊活が進まない場合はふたりの検査を合わせて考えます。

Q. 筋腫は何センチなら手術が必要ですか?

A. 大きさだけでは決まりません。小さくても子宮内腔へ張り出す粘膜下筋腫は治療を検討することがあり、大きくても症状や内腔への影響が少なければ経過を見る場合があります。位置、症状、年齢、妊活計画を合わせて判断します。

Q. 手術をすれば妊娠しやすくなりますか?

A. 子宮内腔を変形させる粘膜下筋腫では、手術で妊娠率が改善することが期待されます。一方、すべての筋層内筋腫で手術の効果が明らかなわけではありません。手術のリスクや待機期間も含めて検討します。

Q. 子宮筋腫は妊娠中に大きくなりますか?

A. 妊娠中に大きさが変わることはありますが、変化の仕方には個人差があります。筋腫の位置や胎盤との関係も含めて妊婦健診で確認します。強い痛みや出血があるときは、予定の健診を待たずに医療機関へ連絡してください。

まとめ

子宮筋腫があっても、妊娠・出産する方はたくさんいます。大切なのは「筋腫があるか」だけでなく、妊娠に関係する場所にあるか、子宮内腔を変形させているかを確認することです。

  • 粘膜下筋腫は妊娠しやすさへの影響が比較的大きい
  • 筋層内筋腫は大きさ、数、子宮内腔への影響で判断する
  • 漿膜下筋腫は一般に妊娠しやすさへの影響が小さい
  • 筋腫があっても、すべての方に手術が必要なわけではない
  • 手術前に、年齢や卵管、排卵、精液所見なども確認する
  • 過多月経や貧血、強い痛みがある場合は早めに相談する

「手術をする・しない」のどちらかを急いで選ぶ必要はありません。妊娠を希望する時期や大切にしたいことを医師に伝え、自分に合う順番を一緒に考えていきましょう。

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