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精液検査は何がわかる?禁欲期間・採取方法と結果の見方

精液検査は何がわかる?禁欲期間・採取方法と結果の見方

妊活が思うように進まないとき、「まず私が検査を受けたほうがいいのかな」と、女性側だけで抱え込んでしまうことがありますよね。パートナーへ精液検査を切り出しにくく、先延ばしになっている方もいるかもしれません。

不妊の原因は女性側だけにあるとは限らず、男性側にも関係するケースは珍しくありません。精液検査は、男性側の状態を確認するための基本的な検査です。ただし、1回の数値だけで自然妊娠できる・できないが決まる検査ではありません

この記事では、精液検査でわかること、検査前の禁欲期間や採取方法、結果を受け取った後の考え方をまとめます。

精液検査でわかること

精液検査では、採取した精液を使って主に次の項目を調べます。

  • 精液量:1回の射精で採取された精液の量
  • 精子濃度:精液1mLあたりに含まれる精子の数
  • 総精子数:採取した精液全体に含まれる精子の数
  • 運動率:動いている精子や、前へ進む精子の割合
  • 正常形態率:形態を厳密な基準で確認したとき、基準を満たす精子の割合

検査結果は、精子をつくる機能や精子の通り道などに気になる点がないかを考える手がかりになります。一方で、精子が卵子までたどり着いて受精する力のすべてや、カップルとしての妊娠しやすさを、この検査だけで判断することはできません。

なぜ女性側の検査と並行して受けるの?

こども家庭庁は、WHOの調査をもとに、不妊の原因の約半分は男性側にも関係すると紹介しています。女性側の検査を一通り終えてから男性側を調べるのではなく、ふたりが同じ時期に確認を始めると、原因を探る時間を短くできる可能性があります。

精液検査は、不妊治療を始めると決めた方だけのものではありません。妊娠前の健康状態を確認するプレコンセプションケアの一環として受けられる医療機関もあります。産婦人科・不妊治療施設のほか、男性不妊を扱う泌尿器科で相談できます。

検査前の禁欲期間は2〜7日が目安

精液検査の前は、一般に2〜7日間、射精しない期間を設けます。性交だけでなく、マスターベーションによる射精も含みます。

禁欲期間が短すぎたり長すぎたりすると、精液量や精子数、運動率などに影響することがあります。ただし、医療機関や検査目的によって指示が異なる場合があるため、予約時にもらう案内を優先してください。

発熱や強い体調不良があった、薬を服用している、指示された禁欲期間とずれたといった場合も、自己判断で検査を取りやめるのではなく、採取前に医療機関へ伝えましょう。

院内・自宅での採取方法と注意点

精液は、医療機関の採精室で採取する方法と、自宅で採取して持参する方法があります。どちらに対応しているか、予約時に確認しておくと安心です。

専用容器へ全量を採取する

基本的には、マスターベーションで医療機関から渡された専用容器へ採取します。一般のコンドームや潤滑剤には精子へ影響する成分が含まれる場合があるため、医療機関から使用を案内された製品以外は使わないようにしましょう。

精液は最初に出る部分に精子が多く含まれるため、できるだけ全量を容器へ入れることが大切です。一部をこぼしたり、うまく採取できなかったりしても、恥ずかしがる必要はありません。結果の解釈に関わるため、そのまま検査スタッフへ伝えてください。

自宅採取は時間と温度に気をつける

自宅で採取する場合は、採取時刻を記録し、指定された時間内に持参します。男性不妊症診療ガイドラインでは、採取から観察まで60分以内が推奨されていますが、実際の提出期限や運び方は施設ごとに異なります。

極端な暑さや寒さを避けることも大切です。保温・保冷方法を自己流で決めず、容器の扱い、持参時間、受付場所まで事前に確認しましょう。

WHO基準値は「合格・不合格」の境界ではない

日本泌尿器科学会と日本生殖医学会による「男性不妊症診療ガイドライン2024年版」では、WHOラボマニュアル第6版の下限基準値を次のように示しています。

検査項目下限基準値
精液量1.4mL
精子濃度1mLあたり1,600万
総精子数1回の射精あたり3,900万
総運動率42%
前進運動率30%
正常形態率4%

これらは、避妊をせず12か月以内に自然妊娠したカップルの男性における、下位5%の値をもとにした「参考範囲の下限」です。すべて上回れば妊娠が保証されるわけではなく、ひとつ下回っただけで自然妊娠できないと決まるわけでもありません。

検査法や表示項目は医療機関によって異なることがあります。スマートフォンで数値だけを検索して結論を出さず、検査を行った医療機関で総合的な説明を受けましょう。

結果が基準値より低かったときは?

精液の状態は、禁欲期間、睡眠、ストレス、発熱などの体調によって変動します。こども家庭庁は、1か月以上の間隔をあけて少なくとも2回検査し、総合的に判断することを案内しています。1回目の結果が低かったからといって、自分を責めたり、すぐに将来を決めつけたりしなくて大丈夫です。

再検査でも気になる所見がある場合は、男性不妊を扱う泌尿器科で次のような確認を行うことがあります。

  • これまでの病気や手術、服薬、生活習慣の問診
  • 精巣の大きさや精索静脈瘤などを確認する診察
  • 超音波検査やホルモン検査
  • 必要に応じた染色体・遺伝子検査

原因によっては治療できるものがあります。また、結果とカップルの年齢、妊活期間、女性側の検査結果を合わせて、タイミング法、人工授精、体外受精・顕微授精などの進め方を相談します。

精液検査を早めに相談したいケース

不妊症の一般的な目安は、避妊をせず1年間妊娠しない場合です。ただし、次のような場合は1年を待たずに相談してかまいません。

  • パートナーが35歳以上、または妊活の時間を大切にしたい
  • 精巣の病気、鼠径ヘルニアなどの手術歴がある
  • 成人後のおたふくかぜ、がん治療など、精巣への影響が気になる経験がある
  • 勃起や射精が難しい、精液量が少ないなどの悩みがある
  • 精巣の腫れ・痛み、陰嚢の血管のふくらみが気になる
  • ふたりのどちらかに妊娠しにくさへ関係する持病や既往歴がある

急な強い精巣の痛みや腫れがある場合は、妊活の検査予約を待たず、早めに泌尿器科や救急医療へ相談してください。

パートナーへ検査をお願いするときの伝え方

精液検査は、採取方法への抵抗や「悪い結果だったらどうしよう」という怖さが出やすい検査です。「あなたに原因があるか調べて」ではなく、ふたりの状態を同じタイミングで確認したいと伝えてみましょう。

  • お互いにどんな検査があるか一緒に調べる
  • 予約方法や提出時間を一緒に確認する
  • 結果を責任ではなく、次の選択肢を決める情報として受け取る
  • 採取当日の予定に余裕を持たせる

うまく採取できないこともあります。プレッシャーをかけず、難しい場合は医療スタッフへ相談できることを、ふたりで共有しておくと安心です。

よくある質問(FAQ)

Q. 市販のセルフチェックで病院の精液検査を代用できますか?

A. 自宅用キットで確認できる項目は製品ごとに異なり、医療機関の精液検査や泌尿器科の診察をすべて代用できるわけではありません。気になる結果が出た場合や妊娠に至らない期間が続く場合は、医療機関で相談しましょう。

Q. 検査前に風邪をひいたら延期したほうがいい?

A. 発熱や体調不良は精液所見に影響する可能性があります。予約先へ連絡し、検査を予定どおり受けるか、日程を変えるか確認してください。後日結果を説明してもらう際にも、発熱した時期を伝えましょう。

Q. 基準値を少し下回ると自然妊娠は無理ですか?

A. いいえ。基準値は妊娠できる・できないを分ける線ではありません。精液所見は変動し、妊娠には排卵、卵管、年齢などほかの要素も関わります。再検査の必要性を含め、医師に確認しましょう。

Q. 精子がいないと言われたら、子どもを持てませんか?

A. 1回の結果だけで結論は出せません。再検査や泌尿器科での詳しい検査により、精子をつくる機能や通り道などを確認します。治療や精巣からの精子採取を検討できる場合もあるため、男性不妊の専門医へ相談してください。

まとめ

精液検査は、男性側の妊活を具体的に始めるための基本的な検査です。

  • 一般に2〜7日の禁欲期間を設け、専用容器へ全量を採取する
  • 自宅採取では、提出時間と運び方について医療機関の指示を守る
  • WHO基準値は合否の境界ではなく、1回の結果だけで妊娠の可否は決まらない
  • 低い値が出たときは、再検査や泌尿器科での詳しい確認を相談する
  • 女性側の検査と並行して、ふたりの検査として進める

検査を受けることは、どちらかの責任を探すためではありません。今の状態を知り、ふたりに合う次の一歩を選ぶための情報集めです。切り出しにくいときは、この記事を一緒に見ながら話してみてくださいね。

参考にした情報

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